薬膳と漢方…効き目の法則

「先生、薬膳ってどうなの?」

「薬膳? いいと思いますよ。ちゃんと薬効を分かってやるならね。」

「クコを食べるようにしてるんよ。」

「ああ、薬膳て言うのはね、漢方薬から来てるんですよ。」

「はいはい。そうですよね。」

「漢方薬っていうのはね、もともと病人用スープなんですわ。だから食材と一緒。でもね、よく効くっていうのは、それだけ悪くもできるってことなんですよ。」

「ええ?」

「漢方が効くのはね、傾いたものを元に戻せるからなんです。」

「傾く?」

「例えばね、船が右に傾いて沈みそうになっている。それを元に戻すには?」

「左に傾けてやる…?」

「そうそう。左への力を加えてやると元に戻りますね。じゃあね、傾いていない船にも同じように左への力を加えると?」

「そりゃ、左に傾いてしまう…。」

「そうなんですよ。左に傾いたら右への力、右に傾いたら左への力を加えてやる。じゃあ、どちらにも傾いてなかったら?」

「ほおっておく?」

「そうそう、余計なことをしたらイカンのや。漢方はこうやって体を正常に戻すんです。」

「そしたら、漢方薬のことを知らなかったら恐いね。」

「そうなんです。だから、我々が普段食べている食材は、傾ける力が弱いものばかり。そういうものだけが、自然と食卓にのぼるようになった。体に優しいことが経験的に実証されている。何千年もかけてね。」

「なるほど。」

「ただ、傾ける力が弱いと、傾いた船を元に戻せませんよね。だから、傾ける力が強いものを扱えるプロがいるわけ。これが漢方医です。」

「そうか…」

「この扱い方を間違うと大変なんです。右に傾いた船に、右への力を加えてしまったら…」

「沈没…。」

「そう。だから、ちゃんとした漢方医を選ばないといけませんよ。知らずに薬出すお医者さん、多いですよ。漢方薬に副作用が無いなんてウソですからね。」

「薬膳も止めておいた方がいいのかな。」

「ウン、薬膳に使われているのは、傾ける力の弱いものばかりです。でも、ショウガみたいに強力な力を持つものもあるから、やっぱり知識は必要かな。玄米も温めるほうに傾くんで、熱証の人にはよくないしね。主食はたくさん摂るだけに影響力が強いから…。でも寒証の人にはすごくいいんですよ。」

「ショウガってそんなにきついの?」

「きついですよ。特に乾燥させたものはね。」

「へえーーー!」

「ショウガなんか、多量に食べないでしょ?普通は。でも体にいいと信じていたら、無理にたくさん食べる人もいるかもしれない。こうなると持病が悪化することも大いにありえます。」

「ショウガは温めるんでしょ?」

「そう、温めるんです。だから、冷えに傾いた人には起死回生の効果があるんですよ。でも例え足が冷えて仕方なくても、自分で冷え症だ、という診断は絶対したらイカンよ。寒証か熱証かは、かなりの経験を積んだプロでないと診断できないんですよ。現代人はストレスが病気の原因になっていることが多い。こういうのは、ほとんどが熱をもつので、薬で熱化させるとかえって悪化します。船の傾きを調整するのは素人さんには難しすぎますね。」

「じゃ先生、何食べたら一番いいの?」

「ウン、大きい船なら、すこしくらい傾いても大丈夫でしょ? だから、船そのものをを大きくすればいいんやな。これなら素人でもできる。これは体を大きくすると言うことではなしに、陰陽の場を大きくすると言う意味なんです。つまり体力をつけるということ。それにはまず、ご飯。お米です。玄米とちがって、白米は熱にも寒にも偏らないから、白米がいいです。それからご飯の量をこえないおかず。おかずには、季節の野菜とそれに見合ったたんぱく質。それが一番なんです。」

「へー…」

「われわれは、浮気性やからな。奥さんでは物足らず、色気だして、あちこち手を出してみるけど、結局は慣れ親しんだ元の奥さんが一番ありがたいんですよ。」

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