湿痰腰痛

腰痛

30歳男性。

「一カ月前に、重いものを持って、ギックリ腰になったんです。接骨院に通っているんですけど、痛みがましにならなくて…」
「なかなか治らないんですね。痛みはどの辺?左とか右とかあります?」
「この辺です。全体が痛いです。」
「どんな痛みですか?」
「重いような痛みです。実は、腰が痛くなると、いつも下痢になるんです。腰が治ると下痢も止まるんです。」
「今も下痢してるんですね?」
「ハイ、かがむこともできなくて…。」

消化器と関係のある腰痛であることは明白。こう話をしている最中にも、トイレに。

「間食は?」
「よく、お菓子なんかを食べます。ストレスがあると特に量が増えます。」

腰痛は以下のような分類がある。

重いものを持ち上げ、突然痛くなる、いわゆるギックリ腰は、1.あるいは1.と3.の複合型に分類される。1.の痛みの特徴は、突っ張るような痛み、1.と3.の複合型は刺すような痛み。
多くは左右どちらかが痛む。

今回の腰痛で、一か月前に痛めた時は、1.の状態であった可能性が高い。

しかし、治りにくかったのは、もともと間食が多く、体に「湿痰」と呼ばれる副産物をためていて、ギックリ腰で腰の気の流れ (循環機能) が悪くなった所に、湿痰が影響したものと思われる。湿痰がなければ、一か月も痛みで苦しまなくても済んだだろう。

うつ伏せになって患部を診る。手のひらで触れると、重量感のある緊張がある。しかもただの緊張ではなく、モッチャリした感覚がある。これは湿痰を示す。湿痰は豊隆というツボに反応が現れる。豊隆にもモッチャリした感覚の緊張がある。

よって今回の腰痛は②の湿痰型と診断。

豊隆に鍼を一本打つ。10分置鍼。腰に緊張がなくなったことを確認、試しに立ってもらう。かがむよう指示する。
「あれ? 痛くないですね…」
その場で腰のをかがめることができるようになった。
翌日には完全に痛みが無くなり、下痢も止まったとのこと。

豊隆は湿痰を取り去るツボである。湿痰が原因ならば、どんな病気にでも効く。だから下痢も即座に止まった。

もちろん湿痰が原因でなければ効果はない。この患者さんも、一か月前にギックリ腰をやったときならば、豊隆に鍼しても効効果はなかっただろう。1.気滞による痛みの可能性が高いからだ。その場合は、後渓や臨泣などのツボを選ぶ。

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