「せんせー、この頃また肩が痛いねん。」
「ああ、最近言っておられんかったのにね。昼ですか?夜ですか?」
「夜、寝ようと思ったとき。夜中は痛くない。」
「お腹診せて。フンフン、貯金が足らんな。」
「貯金?」
「下腹は『腎』とも言うんですけど、腎は銀行みたいなもんでね。足りなくなったときに引き出せる仕組みがある。体力をお金と考えるとね。前も話したかな? 年を取ると腎が弱るから…。日が暮れてから痛くなるってことは体力の貯金が無くなったんやな。なぜかというと…」
「それ、どうやったら貯まるの!?」
「肩痛が何で起こるかより、貯める方法が気になる?」
「そら、そうやん!」
「ウン、話が早くていい。では教えましょ。こないだ家の片付け、一度にしたでしょ? 悪い癖やな。」
「…。」
「あれを3日に分けて出来たらな…、無理しなければ、貯金も減らずにすむという…」
「でも景気悪くなるよ! 貯めてばっかりで使わんかったら!」
「ん?」
「ね!? そうでしょ!? お金は貯めてたらあかんよ、使わないと。世の中のためやから!」
「ハハハ! 世の中のためね! なるほど! 年寄りはどんどん体力を使い果たして、早く死んだ方が世の中のためか!」
「ハッハッハ! ホンマや、早く死んだ方が世の中のためや!」
「って、なんちゅうことを言うんや!! 貯金は、しないとダメなの!」
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