よもやま話…焼いてほしい

「どうですか?」

「ハイ、やっぱり肩と頸がつらくて…」

「おうちの片づけは進んでる?」

「要らないものばかりだから、捨てればいいのは分かってるんだけど、いざとなると未練が…。墓まで持っていけないのは、頭では分かってるんですけど…。」

「たとえば、釣り好きの人がいるとする。家族が病気なのに、釣りに行くようでは、具合が悪いね。」

「え? はい…」

「釣りがいくら好きでも、家族が病気なら、釣りをやめて看病する。これは、いいことですね。」

「そうですね。」

「釣りが好きってことは、決して悪いことじゃない。ただし大切な物を犠牲にしてまでやるとね、愛着ではなく、執着になってしまう。〇〇さんの場合、犠牲にしてしまっているのは、〇〇さんの大切な体ですよ。思い切って、捨ててしまえば、かなり体が楽になるんじゃないかなあ。」

「はい、がんばってみます。」

後渓にお灸をする。ストレスによる肝臓の異常と、冷えが体の表面にあって気の動きを悪くしていることも加味する。

「どうですか、今。」

「来た時よりは、ましです。ねえ先生、肩も首も、みんな焼いたらあきませんか?」

「焼くのはまだ早い! 我々、いずれ全身焼いてもらわないとダメなんやから。まあ、その時を楽しみに、あせらず行きましょ。」

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