湿痰>腎虚→頭痛

43歳女性
「4カ月前から、首から頭の後ろが重いんです。ずっとつらくて、何をしてもましになりません。夜、寝るときは感じませんが、日中は、ずっと同じように重いです。何もする気にならなくて…。」
「そうですか。夕方の方がだんだんつらくなってくるとか、朝が一番つらいとか、そういうのがないんですね。」
「そうなんです。一日中同じなんです。」

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症状がつらくなるのにはタイプがあり、朝タイプと夕タイプがある。
○夕方つらくなってくる場合、正気の弱りであれば、血や陰の不足で、いわば電池切れだ。体力を補う必要がある。夜はつらくないので瘀血の可能性は低い。
○午前中つらいの場合、正気の弱りであれば、気や陽の不足で、エンジンがかかるのが遅いから。邪気の充満であれば、気滞や湿痰が原因として考えられる。この場合、動いているうちに気滞や湿痰が流れ出し、楽になる。

この患者さんは朝も夕方も同じようにつらい。これは朝タイプと夕タイプ、どちらも兼ねている可能性がある。

見立ては、湿痰>腎虚

腎虚とは、腎臓の弱りのこと。過去に先天性股関節脱臼の既往歴がある。生まれつき何らかの異常のある人は、もともと先天である腎臓が弱い。腎臓は人体の下部にあり、下部が弱いと相対的に上部が強くなる。上部とは脾臓のこと。脾臓は、腎臓に支えられている。支えを失った強さは矛盾を生じてしまうため、食べ過ぎてしまい、湿痰をつくってしまう。この湿痰が午前中を中心とした首のつらさの原因。体を動かしているうちに湿痰もめぐり出すのでましになるが、代わりに夕方になるほどに腎臓が弱り、症状がましにならない。寝ている間は腎臓が休まり、充電するのでつらくない。だが、一方で寝てじっとしていると湿痰がめぐらず固まり、朝起きたら首がつらい。

腎臓は、湿痰を溶かし、めぐらせ、体外に排出しようと常に頑張っているが、腎臓の体力以上に湿痰の量が多く、腎臓を疲れさせる。腎が弱くなると脾臓が強くなり、食べ過ぎて湿痰を作る…という悪循環。

右合谷・左豊隆に20分置鍼。
合谷は気滞をとり、湿痰を動きやすくする。
豊隆は湿痰をとり、後頭部の流通を良くする。

直後、頭の重さがましになる。首は変わらず。

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2診目(4日後)
初診以降、毎日徐々に楽になってゆき、今日が一番楽。首を左右に動かした時の痛みだけが残っているのみ。首・頭の重さはほとんど気にならなくなった。全体として初診10→2 or 3

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以降、湿痰の治療を三診、腎虚の治療を四診。首・頭の症状は悪化することなく、安定した。

湿痰>腎虚 から 腎虚>湿痰 に移行すると見通しをつけ、補正に切り替えるきタイミングを逃さないことは、ポイントの一つ。

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