線維筋痛症…1日27錠からの減薬

59歳男性

●後鼻漏…鼻水が後ろに落ちて気持ち悪い
●線維筋痛症…右肝兪あたりの痛みで眠れない
●逆流性食道炎…食後、喉に灼熱感
●前立腺肥大…小便が出にくい
●大腿前面の麻痺…30分以上歩くと麻痺して感覚が無くなる
●便秘

以上、ざっとこれだけあります。

総合病院に通院し、薬をたくさん飲んでおられます。1日の薬の内訳は…
●後鼻漏…抗うつ剤・安定剤が合わせて8錠。
●線維筋痛症…痛み止めが5錠。睡眠薬が1錠。
●前立腺肥大…1錠
●胸やけ…7錠。
●便秘…4錠
●血圧…1錠。
……………
計27錠/1日

総合病院が、かなり手を焼いているのが想像できます。本人が一番つらがっているのは後鼻漏。だから安定剤と抗うつ剤が多く出ています。病院側が「気のせい」と考えていることが明白。

注目すべきなのは、ヒ素ミルク中毒の既往歴があること。幼児期に腎をかなり痛めたと推測されます。下が弱いと上が強くなります。下とは腎。上とは肝・脾。この患者さんは、空腹感がないと言いながら、よく食べ、肥満。

診立て…肝胆湿熱>腎虚 ※湿熱とは湿痰と邪熱が結びついたものである

1診目

右肝兪10分置鍼。左陰陵泉に速刺速抜。肝胆湿熱を取る処置。
処置後、下腹部が柔らかくなる。小便に効いていそう。

2診目 (4日後)

下腹部が非常に柔らかくなった。小便に勢い。夜間尿2回いっていたのが1回に減った。
治療同前。

3診目 (4日後)

夜間尿0回。日中の小便も8回いっていたのが4回になり、1回量が増えた。朝の小便の勢いが全く違う。後鼻漏はサラッとしてきた。胃がすっきりしてきた。
筋縮10分置鍼。左陰陵泉に速刺速抜。

4診目 (3日後)

前立腺の薬を止めたが小便の出は良いまま。背中の痛みがない。
右肝兪10分置鍼。右陰陵泉に速刺速抜。

5診目 (3日後)

後鼻漏の粘りがまし。背中の痛みがないのでよく眠れている。夢も見なくなった。安定剤と抗うつ剤を一度に止めた。「病院の先生には悪いけど、安定剤は関係ないと思います。止めてみたけど、何ともありません。」とのこと。
筋縮15分置鍼。左陰陵泉に速刺速抜。

6診目 (4日後)

痛み止めを減らしているが痛まない。空腹感が出てきた。後鼻漏は粘りがなく、サラサラしたのが流れる。粘らないので楽。
肝兪15分置鍼。左陰陵泉に速刺速抜。

7診目 (3日後)

痛み止めをすべて止めたが痛まない。
筋縮15分置鍼。左陰陵泉に速刺速抜。

8診目 (4日後)

痛みなし。睡眠良好。小便良好。胸やけはたまにある。後鼻漏は雨の日に粘りが出る。
右肝兪15分置鍼。右陰陵泉に速刺速抜。

その後の経過

8診目より1週間に1回の治療を継続、痛みのために休職していたが、楽になり復職、仕事が忙しくなったため、13診で治療を終了される。この間、血圧・便秘・胸やけ以外の薬は全て服用せず、悪化なし。

とりあえず…
27錠/day → 12錠/day
…にまで減らせました。

週に1回の治療になってからは、薬を減らせるほど体が良くなっておらず、それ以上は減らせませんでしたが、患者さんは、だいぶ薬を減らせてスッキリしたと言われていました。だだし、主訴の後鼻漏、本当の意味で治そうと思うと、薬をもっと減らす必要があります。体の悪さを薬でごまかす分、鼻にヒズミが出てしまうからです。

ともあれ、強度の自律神経失調症とレッテルをはられた症状が、きわめて短期間で緩快したのは、鍼灸が優れた医療であることを示すとともに、総合病院での診断といえども、必ずしも正しいものではないということが言えると思います。

 

コメント

テキストのコピーはできません。
タイトルとURLをコピーしました