早朝勃起が欲しい!

32歳男性。運送業。

2週間前から、
●頭痛 (左小後頭神経痛)
●起床時、眼球が張り、痛む
●右顔面の違和感

このような症状。主訴は頭部に集中。
体格はがっちりしている。筋肉質。弱そうには見えない。3人前は平気で食べる、とのこと。

詳しく聞くと…。

●25歳頃から精力減退。もう何年も早朝勃起がない。
●冬は靴下2枚。冷えると足が痛くなるから。
●朝、体がだるい

これは、腎陽虚。

●夕食後、眠い。
●目が疲れる・かすむ・まぶしい
●口が乾く

これは腎陰虚。

つまり、腎虚がはっきりしています。

この体質をどうまとめるか。
腎臓 (下) は弱いが、脾臓 (上) は強い。
上実下虚。
とくに、早朝勃起がないのは問題で、これは腎臓の弱りを知る大きな指標となる。ここが復活するくらいに体が良くなれば、諸症状は自然と終息するはず。

初診…
左京門に鍼。帯脈を意識し、上下を交流させる。上は瀉し、下を補うイメージ。

2診目…
頭痛と右顔面の違和感が取れた。
起床時の眼球の張りが気になる。
左照海に鍼。上下は交流してきているので、下をもっぱら補う。早朝勃起が欲しい!

3診目
眼球の張りが半減。
治療同前。

4診目…
今朝、早朝勃起があった。
眼球の張りなし。
朝のだるさは意識しなくなった。

この男性の場合、早朝勃起について詳しく問診しました。
こういうケースはあまりありません。
嫌がる人が多いからです。
この男性は問診票の「精力が減退する」という事項に〇を付けられていました。
問診すると、嫌そうな感じではなかったので、ざっくばらんに聞くことができた…ということです。

男性の生理は、女性の生理と同様、診断の大きな参考になります。
勃起するかしないかは、腎臓の陽気 (腎陽) が十分かどうかに関わります。
気 (陽) が足りていれば、機能する。
気は「機能」のことでしたね。
機能、とは生命活動に必要なあらゆる機能のことです。
腎陽とは、腎の機能のことです。

ただし、陽が足りていても、それを支える陰 (腎陰・腎精) がしっかりしていなければ、機能は長続きしません。
陰とは、物質的なもの。肉体的なものです。
モノに支えられて、機能は存在する。
不全流産の症例でも、少し触れました。
腎陽は足りていたので妊娠できたが、腎陰が足りなかったので持続できず、流産にいたった。
勃起も、腎陽が足りていれば、するにはします。
しかし、腎陰が足りていなければ、セックスのたびに体調を崩すことになってしまいます。

この症例の場合、
若いのに勃起しない。
これはかなり問題です。
この男性は、小さいころからアトピー性皮膚炎があり、生まれながらに腎が弱かった、と推測されます。
腎精の弱りをもともと持っていて、それが腎陽が足りなくなるところまで、弱りがあったということです。

腎陽 (腎の機能) とは?
生殖能力がまず挙げられます。
しかし、それだけではありません。他にも多くの役割があります。
例えば、
温煦作用 (温める働きなど) ・
防御作用 (ウイルスから身を守る働きなど) ・
固摂作用 (体液を外に漏らさない引力のような働きなど) ・
気化作用 (新陳代謝など) …などなど。
男性・女性を問わず、生殖能力 (妊娠力) が、どの程度あるか診断することは、
体全体の治癒能力を測るうえでの大きな指標になります。

しかも、妊娠力を高めるということは、腎そのものを高めることですから、
身体は楽になる、元気になる。
病気が治る。
そういうオマケがついてきます。これは当然のことです。

ホルモンによる不妊治療のために、体調を崩すという話をよく聞きます。
こういう治療によって妊娠したとしても、それは腎を高めた健康的な妊娠ではない。
このことは明白と言わざるを得ません。

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