雨水


二十四節気の続編、今回は「雨水」です。
今日からの15日間、すなわち
2月18日から3月4日を雨水といいます。 (2017年)
寒さは依然として厳しい。でも陽気の胎動を感じます。
例えば、このネギ。
霜がおりています。これが甘くてうまい。
畑で作ったこのネギを、毎朝、ちぎって味噌汁に入れていただいています。

でも、このごろ、ネギにかすかな苦味が感じられるようになってきました。
ネギは、春になると苦さが増します。
苦さが増して誰も食べなくなったころ、塔が立ってつぼみがでます。
これは白菜などのナタネ類にも言えることで、やはり苦くなって塔立ちし、つぼみが出ます。
花を咲かし、種を作るための変化が、苦味として感じられるのでしょう。

ネギの花は地味ですが、ナタネは春を代表する花ですね。
この苦みは、春を告げる先駆けでもあるのです。

以上は、「物候」です。
※物候とは?運気論の総論は「立春」でご説明しました。どうぞご参考に。

そのほか、鳥が活発です。
耕した畑には種やミミズなどが表面に出るため、つつきやすいのでしょうか。
食事に余念なしです。
朝のジョギング中には、2匹の小鳥がホバリングしながらじゃれあっていました。
オスとメスでしょうか。
気温は氷点下。耳当て・手袋の冬装備で、息は真っ白。
でも、そんな光景に春を感じます。

これも「物候」。

2月16日・17日はそれが「気候」にも表れました。
暖かかったですね。各地で春一番が吹きました。
でもそれ以降は、再び寒さが戻る。

このように気候は安定しません。
でも、物候は安定しています。
安定と不安定。
安定は陰。
不安定は陽。陽は変化に富んでいます。

物候は陰で、地を反映し、生・長・化・収・蔵の五運のもとになります。
気候は陽で、天を反映し、風・暑・火・湿・燥・寒の六気のもとになります。

五運と六気。あわせて五運六気といいます。略して運気といいます。
この五運六気の考え方が、自然と相似関係にある人体にも当てはめられ、五臓六腑という概念に発展したといわれています。

五臓 (肝・心・脾・肺・腎) は精を蓄え、生命にそれを安定供給します。精は気血と呼ばれる生命エネルギーを生みます。
六腑 (胃・小腸・大腸・膀胱・胆・三焦) は飲食物を入れたり出したり。変化に富んでいます。出しっぱなし・入れっぱなしはしません。
仮に、安定であるべき五臓が不安定となる…脾気虚・肝血虚・腎精不足。気・血・精の不安定さは病気の原因になります。
仮に、変化に富むべき六腑が動いてくれない…食欲不振・食滞・便秘・下痢。これが病気の原因になります。

飲食物が精となり、精が飲食物を吸収する原動力となります。
このように、五臓と六腑は、安定と不安定という陰陽でつながっています。
大地と天空のように。
大地は地温を安定的に保ち、生命の生・長・化・収・蔵を促します。
天空は寒気・暖気が風や雨によって入れ替えられ、空気の入れ替えを行うことで、常に清新の気を保とうとします。
自然と人体の共通項を、古代中国人はこうまとめたわけです。

ここ飛鳥地方では、先日までの立春 (2月4日~17日) は寒い日が続きました。

この期間の治療方面での趨勢を専門的に考察してみます。大寒のころに目立った営血分の熱は下火になり、立春の期間は心神の問題が表面に出る患者さんが多くなった印象があります。営血分の深い熱が心を中心とした血を弱らせ、そのうえ、2017年は木運不及、司天が陽明燥金で木気が弱り、肝が弱るため、血の弱りがでやすい。血の弱りは、気の虚勢を生みます。また、主運・主気は木気が勝つので、気の虚勢と相俟って、誤った疏泄・条達を生むため、誤った肝気を支配する心神が主要矛盾になりやすい。そう推測しました。木気の強さと木気の弱りはプラスマイナスゼロ的に入り混じらず、乖離したまま矛盾を生むのではないかと思います。肝の病証であるところの気実血虚のように。

治療としては、神門・心兪など、心神に関わるツボの使用頻度が増えた印象です。
先日も、ノドの痛みの患者さんに左心兪の鍼をしたところ、その場で痛みが軽減しました。
右中指の弾発指が痛いという患者さんに膏肓の灸をしたところ、翌朝から痛みが全くなくなりました。

昨日、2月17日は湿気の多い日となりました。司天が陽明燥金だと、大寒中~春分中までは太陰湿土が勝ちやすくなり、脾が弱りやすくなります。かりに乾きの上に、生血の源である脾が弱るとなると、心血不足が一層ひどくなり、精神的にナーバスになりやすくなることも考えられます。どんな病気でも、うつ的な状態になると悪化しやすくなります。また、あらゆる病気を生みやすくなります。虚勢を張っていた気は、脾気のバックアップを失い消沈する。そういう可能性も一応視野に入れながら、治療に臨もうと思います。

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