啓蟄

二十四節気の続編、今回は啓蟄です。
今日3月5日から19日までを啓蟄といいます。
地中深く隠れていた虫たちが動き出す。

古代中国人はこの時期を陽が4、陰が2の状態と見ました。
かなり陽気が勝ってきています。これは体感的にもうなづけます。少しですが暖かさを感じる日が多くなりましたね。

畑の雑草…ナズナ・ホトケノザ・ハコベラなどが一気に勢いづく季節です。
写真はうちの畑のハコベラ。
ズームするとこんな可憐な花でも、野菜の収穫というミッションの前にはただの雑草。早めに草削りをしておかないと耕しにくくなる。情けはかけません。
削った草を一か所にまとめて積み上げると、腰に迫る高さに。寒いからと言ってサボっていると、こういうことになる。
ちなみに、これは物候。

対して気候は、毎朝、風を受けて走っているとよく分かる。
ジョギングを20分ほどしていますが、手袋や耳あてが必要ない朝もでてきました。

物候・気候とは? 運気論の総論は「立春」でご説明しました。どうぞご参考に。

いよいよ陽気が盛んになってきました。
良くも悪くも、動き出します。

実は、これが人の体や心に影響します。ここからは専門的な考察です。

前回の雨水から今日の啓蟄まで、特筆すべきことが2つあります。ひとつは、営血分の熱を今すぐ取るべき患者さんが非常に多いということ。これは気滞などを取っていれば勝手に営血分も取れるというレベルではなく、狙って取らないといけないケースが増えたということ。いったん下火かと思いましたが、再燃したという印象です。

もう一つは、この2週間で帯状疱疹の患者さんが複数来院されたということです。帯状疱疹を分析することで、この時期の特徴を把握する足掛かりにできないかと思っています。

帯状疱疹は肝経が熱に侵されることによって発症します。熱だけに症状に勢いがあり、スピードも速い。これだけの邪熱が一気に蔓延するのは、もともとストックとして営血分に持っていた邪熱が一気に気分に吹き上げるからではないかと思います。普段、熱証がハッキリしない人でも急に発症するからです。

この、一気に吹き上げる力のもとになるエンジン、それが肝気です。しかも、正しい肝気ではなく、誤った肝気です。これを肝気偏旺といいます。この肝気が今、強いと感じます。正しい肝気が主導する人は特に問題ないでしょう。やることなすことがうまくいくと思います。でも誤った肝気があるととんでもない方向に疏泄・条達が働きます。その肝気が営血分の熱を動かす。皮膚に向かって疏泄しようとする。それが帯状疱疹の病理の一つとしてあると思います。

実際、今のこの時期、中運が木運不及・客運も木運不及・司天の支配する上半期 (大寒中から大暑中) が陽明燥金で厥陰風木を剋すため、肝血が非常に弱りやすい。同時に主運・主気は木気が勝つので肝気は旺盛。客気は太陰湿土で湿盛となりやすくなっています。
肝血が弱ると肝気は虚しくいきり立ちます。ご存知かもしれませんが、中高年の場合、血虚肝旺が帯状疱疹の主要メカニズムです。帯状疱疹が春と秋の時期が多いと言われるのは、こういう理由があると思います。。
帯状疱疹に限らず、この時期の治療としては、まず、営血分の熱があればきっちり取っていくこと。あるかないかをとにかく注意する。これが一番気にしていることです。加えて誤った肝気があればこれを正しておく。それには神門・後渓・心兪などの心神の治療、場合によっては真理を諭すことも必要だと思います。また、肝兪に邪を残さないこと。これらは今の時期だけでなく、常に言えることなのかもしれませんが。

そういうことを意識して治療に臨もうと思います。

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