清明

二十四節気の続編、今回は清明です。
今年は、4月4日から4月19日までが清明です。

清明からは五陽一陰、ますます陽気が強くなり、物候にも大きな変化が現れます。
そのもっとも象徴的なのが桜の開花でしょう。
桜だけでなく、次々と美しい花々が前後して咲き乱れ、景色は一気に春になります。

ただし、ここ飛鳥では今年の桜の開花はかなり遅いです。
治療所から東を臨むと、すぐそこに大和三山の一つとして有名な耳成山がそびえていますが、このお山に、毎月の初めにお参りをしています。
例年、4月1日は、お山のふもとの公園の桜並木が満開で、春休みの子供連れでにぎわいますが、今年の4月1日は警備員のおじさんが一人いるだけ。
寒いし、桜も咲いてないし。
今年はいつまでも寒い、ということを改めて実感しました。
それでも、よく見るとあちらのこずえ、こちらのこずえに咲き始めた花が見られます。

この春分の期間 (3月20日から4月3まで) を振り返ります。

ここ、飛鳥地方では、3月20日の春分の日は最高気温が20℃にせまる暖かさでした。
その休日を使い、リーフレタス・春大根・シロナ・ウマイナの種まきをしました。
春は野菜が少なくなる時期なので、食料をつなぐためには非常に貴重。
今年も野菜は自給自足を目指します。何が何でも。

この日は日差しが強く、畑を耕していると、薄いシャツ一枚でも汗が出てきます。
空気は暑くはないが、日差しが暑い。
こういう暑さが少陰君火です。
主気が少陰君火になるのは春分中といわれます。
その少陰君火が春分初日に来たと感じました。

臨床では。
この日あたりから、これまで治療で落ち着いていた花粉症が再燃する患者さんがおられました。
脈を診ると、沈脈。その他、風熱がうかがえます。ベースとしては寒証。
啓蟄期間中のように潰れた脈状は多くありません。
行間を診ても反応なし。
少府に反応が出ている。
空間は下後。

腎兪・志室などに治療。

これで風熱は勝手に取れる。でも、空間が上前に出るので、内関もしくは顖会を瀉法。これで落ち着くようです。

印象としては、正気の虚 (腎陽虚) が中心で、疲れをとって体力を増すことが重要。少陰君火がステージに立っているにもかかわらず、相克である冬の脈状、沈脈を呈し、腎の弱りを残したままであることが問題か、と。

上前は実熱、下後は虚寒。

腎兪などで腎陽を補うが、これだけでは上前の熱 (鼻炎) が取れにくいので、内関などの必要がある。なぜ内関が必要か考えてみました。

木運不及による血虚気実が基本にあるので、常に血が不足しやすく、血のソースである脾腎に負担がかかっている。そこに上前 (鼻) に花粉が入ったため、相対的に下後が弱り、下を支配する腎への負担がさらに強くなる。これが腎虚の原因になります。

気温がまだ低いので、腎への負担は腎陽の弱りとして出やすい。腎陽が弱ると衛気も不安定になりやすく、寒さ・冷たさに敏感で、その刺激で下を弱らせたり、肺気不宣を起こしたりして、鼻炎を発症しやすい。寒さによって鼻炎が悪化する場合、このように考えています。

上の熱が下を弱らせ、下の弱りが上の熱を強くする。下を温めながら補うと、虚実の面では上下のバランスが整うが、寒熱の面では上の熱を残してしまう。だから内関が必要なのだ、と。とりあえず、そう考えています。

この構図は少陰君火のイメージに似ています。上の太陽の力は強いが、下の地温はまだ低い。暑いようだが寒い。地温が高くならないと、気温は安定的に高くはなりません。とくに、今年の啓蟄期間中は寒い日が多く、地温も低めといえるかもしれません。それは人体では腎陽の弱りとして反映されます。

内関が必要な他の理由として、上熱と下寒の落差が大きくなればなるほど、陰陽のシーソーが動きにくくなり、補瀉ともに必要になるということも挙げられます。

これは温暖化が進んでいるといわれる昨今、自然現象にもみられることです。季節の変わり目の寒暖差が大きくなっていることは誰しも感じるところだと思います。寒暖差の原因について、偏西風の蛇行が一因と言われます。陰陽論で斬ると、偏西風の蛇行は陰陽の境界があいまいになっている現象ともいえます。偏西風の緯度が安定しているということは北極圏の寒気と赤道付近の暖気が安定しているからで、徐々に暖かくなり、徐々に涼しくなり、寒暖のシーソーが安定的に動きます。ある意味、地球自体が病んでいると。その影響は人体に色濃く出ます。

3月22日は強い北風が吹きました。
その後も、強風とまでは行きませんが、冷たい風の吹く日が多かったと思います。
この間、しばらくは少府に反応が出ていましたが、その後は少府の反応は影を潜め、再び行間に反応が出るようになりました。

しかし、4月2日は一気に春の陽気。
この日は日曜日だったので、タケノコを掘りにいきました。例年なら4月に入るとたくさん採れるんですが、やはり今年は寒いのか、一食分しか収穫できず。そのかわり、ツクシがたくさん上がっていたので、これを2食分収穫。一時間あまりで首尾よく帰宅。

これから一気に春に向かうのでしょう。週間天気予報もそういっていることだし。
4月3日の月曜日は、花粉症の患者さんが再び少府に出た印象です。
少府の反応は、少陰君火が影響している可能性があります。
これからはヒノキ花粉の飛散が増えます。
注意してみていこうと思います。

その他、花粉症以外の雑病でも、相変わらず、肝兪に邪を残さないことが重要。
井穴の刺絡も必要に応じて。
営血分の熱にも気を付けながら。

今年の清明は…
ベースである主運と主気は火運と少陰君火です。その上に客気が少陽相火、これが付加されます。
さらに、
中運が木運不及、
年の上半期にあたる清明は司天である陽明燥金が支配し、陰血 (火熱を消し止める力) が不足します。

乾きと火熱の激しい運気となるのでしょうか。そういう可能性を意識しつつ。

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