穀雨

今日は朝から雨です。
昨日から降り続いています。本当に久しぶりの雨です。
穀雨の名の通り、この雨は大地をうるおし、苗代の季節がもうそこまで来ていることを思わせます。
人間の生命のもとは栄養分と水です。これを古代中国人は穀気 (谷気) と呼びました。水穀の精気ともいわれます。穀物に象徴される栄養分。それを育て、調理し、命を支えるための水。
穀雨とはそんな意味が込められているのかもしれません。
人間だけではありません。植物も、動物も、この水に依存せずに生きているものはこの世にありません。
我が家は田園に囲まれた場所にあります。
それだけに、自分の力だけで生きているのではない、と実感させられる雨です。

さて、春分以降の印象を記録しておきたいと思います。
特記しなければならないのは、吉野の桜が一度に咲いた、ということです。
下千本・中千本・上千本・奥千本と、標高ごとに見ごろが異なり、下から上に徐々に満開が移っていくのが通常です。それが、今年は一度に咲いた。冬から春本番への変化が激しく、季節の進み方が急に過ぎたということです。

この変化に対応できなかったのがタケノコでしょう。ここ飛鳥地方では経験のないような不作です。おまけに、「春に三日の晴れなし」と言われるそうですが、この春は3月21日から4月23日まで奈良市のアメダスでは雨がありません。ここは真ん中で1~2回降ったように思いますが、「雨後の竹の子」と言われるような雨が極端に少なかったということです。

気温はまずまず春らしい形ですが、信じられないような異常があったということです。

この異常は人体に必ず影響します。

もっとも気になったのは脈の幅がない場合が多いということです。それなりに平年並みの気温の日も多く、季節は順当に進んでいるかのように見えます。しかし、この雨の少なさは、「穀気」にかなり影響を与えているのかもしれません。正気が絶対的に弱っている。

しかも、季節が急に進み、邪実が旺盛のきらいがあります。多くは邪熱が絡んでおり、これはこの時期の運気も関係あるのか、とも思っています。この時期は主運・主気ともに火性で、これは異常ではありませんが、今年は年間を通しての中運が火運太過となっています。不容はほとんどが邪熱、章門に出る場合は営血分の邪熱、少腹に出る場合は瘀熱…といった具合です。

治療はこういう状況下でやらなければなりません。正気を補うと邪気も元気づけてしまうこともあり、邪気を瀉そうとすると正気を損なうことも考えられます。そこで、使用頻度が非常に高いのが奇経です。≫「冬至…営血分の熱」をご参考に。

「春分…陽維脈を取る」で書いたように、3月下旬から陽維脈を使い始めてから、いろいろな認識の展開がありました。4月上旬から陽維脈の使用頻度は、徐々に陽蹻脈にシフトし、下旬には外関や金門は全く使用せず、申脈・肩髃・臑兪・風池を主に使用しました。4月21日から急に気温が上がって、急にまた外関・金門を主に使用するようになりました。

それでなくても春は容体が不安定になりやすいものですが、現在の患者さん全般の状態は安定していると思います。

陽蹻脈については、「ホットフラッシュ、肩髃で消失」で詳しく書きました。

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