「先生、もうすぐ生理なんですけど、無性に甘いものが食べたくて…」
「ふん、ふん」
「それで、先生に言われたように、間食しないように、
お菓子が欲しくても、食事時に食べるようにしてるんですけど…」
「えらいなあ。そうそう、そうやって時間の節度を守ることです。三食でまとめるようにね。」
「食後でも30分過ぎたら間食だ、って先生おっしゃってたんで、
間食にしたらアカンと思って、頑張ってるんです…。
でもお菓子を、だいぶ食べてます。」
「それでいい、それでいい。で、調子は?」
「朝食も食べ過ぎてしまって、お腹が苦しくて…。
そのあとすぐに散歩に行ったら、めまいがしました。気絶しそうで怖かった…」
「食べたものが、さばけてないんやな。
さばけないと、余りが残ってしまい、それが雲のように上の方で邪魔して、『きれいな気』 (正常な働きのこと) が、頭に行かなくなる。
それで起こっためまいやな。
そのうえ、今日は雨だから、湿気も加わって、その邪魔な雲を厚くしてるんですよ。」
左右の神門に手を当てる。緊張はしているが沈んでいない。たぶん鬱にはなっていない。
「今日は、落ち込むような不安感はないでしょ?」
「ハイ。それは大丈夫。」
「あの不安が一番つらいなあ。」
「そうなんです、あれと比べたら、今日はまだまし。」
「今日は、甘いもの食べ過ぎてきてるから、満員電車みたいなもんやな。
ギュウギュウ詰めでシンドイ。
けど、間食せずに時間の節度を守ってるから、ダイヤは乱れてない。
しんどいけれど、目的地には着ける…。そんな感じかな。」
コメント