大腿内側の刺痛

「先生、痛み、だいぶ良くなったから、散歩してもいいか見てほしいんですけど。」

「ハイハイ、できそう?太ももの内側でしたね?」

「ハイ。」

散歩することが、体にとってメリットが大きいか、デメリットが勝つか。

それを脈で判断する。

「うーーん、体は『まだ早い』と言ってますね。」

「そうですか…。前は針で刺すような痛みが急に来るんで恐かったんですけど、
今はあっても鈍い痛みなんで…できるかなって…」

「刺すようなのは無くなりましたか。」

「そうなんです、だからだいぶ楽になりました。この痛み、今までに何度か経験あるんです。以前、薬局で『あなたの体に合いますよ』ということで漢方薬をもらって、それを飲み始めたら、そうしたら出たんですよ。」

「刺すようなのが?」

「ハイ、で、薬局の先生にそう言ったら、『薬がきついのかもしれないから量を半分にしなさい』って言われて。で、半分にしたんですけど、やっぱり痛くて。それで、薬をやめたら治ったんです。それから調子悪くなると、そういう痛みが出るようになったんです。」

「うーーん…そうなんや…。なんていう薬か覚えてます?」

「いやー、もう忘れました…」

「うーん、瘀血 (おけつ)と診て、桂枝茯苓丸 (けいしぶくりょうがん) とかかなあ…」

「そうそう、瘀血とか言っておられました!」

「ウーン、間違いやすいと思うなあ、出ている症状は瘀血やから…。でも、瘀血ができた原因は、体の弱りやから…。それを見抜くのはなかなか難しいんですよ。」

「そうなんですか。」

「ウン、一見〇〇さん、元気そうでしょ。弱りがあると見抜けるかどうかやなぁ。このお体で瘀血を取ろうとすると、かえって悪化するやろうね。ウチでは瘀血を取る治療は一回もやってません。だだ、ひたすら体力を増す治療。まあ例えるなら、川の水かさを増す治療やな。それで水の流れを強くして瘀血のような濁ったものを流し取るようにしてるんです。結果的に瘀血は取れつつある。だから刺すような痛みが無くなってると言うことですね。」

「なるほど、人によって体質は違いますもんね。十人十色なんでしょうね」

「そうそう、その通り!」

「漢方薬が合わないのかと思ってました。」

「そんなことない、誰でも合う処方はあるんですよ。ただ、体質を見抜くのが難しいだけでね。」

「なるほど。よくみなさん、合うとか合わないとか、言っておられるけど、そうじゃないんですね。」

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