心筋梗塞 58歳

58歳 男性

初診 (平成17年2月9日)
3週間前から、動悸がして胸がくるしい。特に夜間の就寝中がひどく、座らないと動悸が落ち着いてこない。左肩が締め付けるように凝る。病院にて心筋梗塞の診断を受けている。胸に手を触れると、ただならぬ皮膚の緊張があり、範囲も広く胸部全体に及ぶ。
背中2点・右手1点に鍼。直後で胸の苦しさがましになる。

2診 (2月10日)
昨日に比べると苦しさは半分になった。胸の皮膚の緊張の範囲が左乳輪部分に限局され狭くなる。
背中・右手の2点に鍼。

3診 (2月12日)
日中の動悸は無くなった。夜は座るほどの苦しさは無くなってきた。肩こりもまし。
背中・腹部・左足の3点に鍼。

以後週に2回の治療を続ける。
仕事で夜が遅くなると、夜中の動悸がきつくなる。早めに帰宅した日はまし。

夜中に2度の小便がある。原因は寝る前に水を飲む習慣で、これは病院から勧められ真面目に実行しておられる。2度も小便に起きることは睡眠の質を悪くするので止めるように根気よく指導しながら治療を続ける。ご自分でも徐々に納得され、水を止めるようになってから、小便は一回になる。
その後、徐々にではあるが、動悸の起こる夜が減ってくる。

265診 (平成19年10月11日)
病院の勧めで心臓に当時新技術のステッドを入れる。直後からみぞおちが苦しく、動悸が再発。動けないので往診する。右足・右手の2点に鍼。
266診 (10月13日)
仕事に行けるようになった。しかし昼間でもみぞおちが苦しく、動悸がする。夜間も動悸で目がさめる。

280診~300診
ステッドを入れる前の状態に落ち着く。

以後、週に2回の治療を続行し、症状は徐々にましになる。日中はたまにみぞおちに違和感が出る程度、夜は週のうち2~3回の軽い動悸に落ち着く。120診以降は週に1回の治療でも悪化しなくなる。

平成22年夏ごろからは動悸・肩コリなど、症状ほとんどなし。63歳で仕事を引退してからも、地元の役職を複数持ち、精力的にこなしつつ、健康維持のため週に1回の治療を続ける。

考察
この症例で学べることは、たとえ心臓病であろうとも、原因に「疲労」が大きく関係している場合があると言えることです。まず、水分を取らずに就寝し、小便に起きる回数を少なくすることが、改善の大きなきっかけになりました。また、仕事で遅くなったときの悪化や、仕事を退職したのちに大きく改善したことも注目するべきです。そしてステッドをいれても症状は改善しなかった (むしろ悪化した) ことも、根本原因である疲労を取らなければ病態は変わらないということを示唆しているのではないでしょうか。

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