原因不明の発熱

初診 (平成18年11月9日)

63歳。女性。

3週間前から発熱(37.5度)。病院でいろいろ検査してもらったが原因が分からない。1か月前に孫が誕生し、その世話で疲れている。食欲がなく、胃もたれがひどい。もともと少しのストレスでも胃を悪くする。背中と頭の2点に鍼。脈が緩み良好な変化を確認し治療を終える。

2診(11月13日)

翌日には37.0度前後になり、翌々日から平熱が続いている。食欲が出てきた。

3診 (11月16日)

熱は出ていない。食欲はあるも、まだ胃はすっきりしない。明日、娘と孫が帰るので少しホッとしている。背中・頭・左足の3点に治療。

4診 (11月20日)

食欲良好。草ひきなど、無理をすると翌日に腰が痛いので、それも治してほしい。体調良好なので週に1度の治療とする。左足・頭の2点に治療

28診(5月8日)

体調良好。腰はましだが、無理をするとこたえる。
以後、平成24年現在にいたるまで、月に2~3回の治療で健康維持をはかる。ここ2年ほどは腰の痛みを感じていない。グランドゴルフで幹事を務め全国大会に出たり、花を育てて出荷したりなど、楽しみをもって悠々自適に暮らしておられる。

考察

発熱は、体の大きな変調であり、重い病気と紙一重です。別の症例ですが、やはり原因不明の発熱で来院された患者さんがありましたが、初診直前の病院の血液検査の結果が、抗核抗体300という数値だったことがありました。検査結果が出たころには、すでに鍼灸治療で発熱はおさまっており、その後も出ていません。鍼灸治療が、免疫を整えながら炎症を抑える働き、つまり膠原病に対する効果は優れていると思われます。

ただし、全身に鍼を何本も打つ治療方法では、このような効果は得られません。全身に打つ場合、まず、同じツボを左右とも使うと効果を打ち消しあいます。ツボは14の系統にわけることができますが、それをすべて使ってしまうと、お互いが相殺しあい、影響力が薄れてしまいます。ただ、皮膚の表面の気血の流れだけは良くなるので、浅い病気にならば、全身に鍼をしても効果が出ます。しかし深い部分を治療しなければならない場合や、効果を持続させたい場合は、ツボを数点に絞ることが重要です。もちろん難しいですが、そのために3,000年かけてつちかった東洋医学の膨大な理論が存在するわけです。

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