東洋医学を勉強しよう

健康であるために

めざすところは、体を治すことです。
そのためにはどうしたらいいか。

正気を増して、邪気を減らせばいい。

正気と邪気

正気とは、体力のことです。もっというと、回復力・治癒力・持久力・適応力など。つまり生命力です。※1

邪気とは、その生命力を邪魔するものです。

多くは、邪気が強くなることによって、正気が弱ります。これが病気です。
正気が弱ると、邪気はますます図に乗って強くなります。これが悪循環です。

邪気は、大きく分類して5種類あります。
①気滞…ストレス・運動不足などでできるもの。
②湿痰…食べ過ぎ・間食などでできるもの。
③邪熱…①が強くなるとできるもの。
④瘀血…①~③が長期化するとできるもの。
⑤外邪…暑さ・寒さ・湿気などが体に影響したもの。

戦場は五臓六腑

正気を作るのは五臓六腑です。※2
邪気はそれを邪魔しに来る。
だから五臓六腑は、正気と邪気が争う場所になります。
五臓六腑をよくすることが根本的な治療だ…と言われるのはそのためです。

五臓六腑って何だろう をご参考に。

表面的に理解しない

体を治すために。
正気とは何か、邪気とは何か、そして五臓六腑とは何か、これらを知る必要があります。これらそれぞれの性質を知っておけば、アプローチがしやすくなります。

人付き合いでも、「〇〇さんは果物が好きだ」とかいう情報があればアプローチしやすい、喜んでもらいやすいですね。「××さんは毛虫が嫌いだ」という知識があれば、追っ払いやすいかもしれません。

でも人柄って、分かったようで分かりませんよね? 長く付き合ってみないと分からない。果物は好きでもブドウだけは嫌いかもしれない。難しいんです。どんな顔 (物質) かを識別するのは簡単ですが。

人柄とは、性質です。顔と違って写真にとれない。
性質とは機能、つまり「気」のことです。

東洋医学の難しさは、「気」を基礎にしているところにあります。

東洋医学の気って何だろう」をご参考に。

「医者」にはならない

治療家は、正気を増すのか邪気を減らすのか、どちらが効率的かを診断してやります。ただし、そういう診断ができるようになるには熟練が必要です。

だから一般の方ならば、これらの邪気を、そもそも作らないように注意することです。そうすると邪気が減り、正気が回復し出します。

ツボを意識してさわると、それはすでに治療です。
この時点で治療家になっているわけです。
その治療家が、正気・邪気・五臓六腑のことを、よく分からずやっているなら、大丈夫?ってなりますね。
〇〇に効くツボ…とかいう効能書きを知っていても、基礎がなければ手詰まりになります。なんでも基礎が大切。

孫子の兵法

「彼を知り、己を知れば、百戦殆 (あや) うからず」 (孫子)

自分を知り、相手を知る。
自分はこの体にどのように向き合ってきたのだろう。
この心を知り、この体を知る。そうすれば病気になることはない。
東洋医学は心と体を分けて考えません。「心身一如」です。
心とは。体とは。
勉強する意味はそこにあると思います。

さあ、東洋医学を一から勉強しましょう!

補足

※1

正気は、大きく分類して3種類あります。

①気…機能 (実用、それがもつ意味) 。
例:石油ストーブの気は、温かさ (実用)です 。温かさは石油ストーブの命であり、存在する意味です。目には見えません。

②血…機能を生み出すための物質 (肉体、物質的土台) 。
例:石油ストーブの血は、温かさ (実用) を生むための石油 (実体) です。目に見えます。「ための」は血が存在する意味です。物質は物質でも意味 (=気) のある物質なので、広義では血も気です。ぼくは「気一元」をこのように捉えています。

③精…①と②を生み出す土台。

その他にも、陰・陽・津液・先天の元気・後天の元気・五神 (神・魂・意・魄・志) など、様々な正気があります。ややこしく見えますが、要は、見る角度によって異なる名がつけられているだけで、みな一つの正気です。一人の人間にもいろいろな顔がありますね。多様な側面を理解しなければ、その人物を理解したとは言えません。正気も同じです。

※2

五臓六腑には
①五臓…肝・心・脾・肺・腎
②六腑…胃・胆・大腸・小腸・膀胱・三焦
があります。

質疑応答

【質問】
体調が悪いのですが、養生方法が分かりません。お灸をしたり、漢方薬を自分で考えて試したりしています。努力はしているのですが、これでいいでしょうか。

【回答】
とても大切なご意見です。

僕が考えるところを言います。まず学問です。それに健康が付いてくるのではないか。

結果ばかりを求めると、点取り虫になります。だから、地道に学問をしようと願う。健康は二の次です。プロの方なら、まずは学問で、治療効果はそれについてくる…と考えた方がいいと思います。

勉強の仕方ですが、まず、五臓六腑の性質から知ることだと思います。それは生理、病理です。つまり、機嫌のいい時と機嫌の悪い時とを比較することで、その人となりが分かるようなものです。

中医学基礎に説明されています。その説明が分かりにくいので、分かりやすく説明しましょう、というのが、僕のやりたいことです。

人は誰でも理性と感情を持っています。しかし、理性は必ずしも感情と足並みがそろっているわけではありません。

例えばお酒が原因で肝硬変になったとします。今でこそ、原因は酒だと分かっていますが、人類が酒を発明した当初は、それが分からなかったはずです。酒が原因だと分かったということは、理性が進化したのです。この進化した理性に感情が寄り添うことができたならば、肝硬変は治るでしょう。酒はもう飲みたくないと思えてくるからです。

勉学の目的はそこにあります。理性を進歩させることです。その中で自分を深く見つめ、いうことを聞かない暴れん坊の「感情」がおとなしくなってくる。正しく強い感情になってくる。自分と向き合う、体と向き合うでも触れました。

五臓六腑を学べば学ぶほど、病気の原因とは何か…ということがハッキリしてきます。それに自ら気付くということが大切です。そんなに複雑ではありません。しかし気付くまでは複雑です。気付くまでには長い道のりがあるでしょう。そういう大切なものは目には見えないし、一言で伝わるものではありません。人にそれを求めていると、やがて嫌気がさすものです。

ぼく個人の考えですが、素人の方は自分で「治療」することは良くないと思います。何が自然なのか、何が正しいのか、それが分かれば、健康という「自然」で「正しいこと」はおのずと身につくと思うのです。

理性を鍛える。自然とは、生命とは…。これらはどういう営みで成り立っているのか。正しいこととは何なのか。これを知ることです。

もちろんプロは、それを知ったうえで、真剣勝負である「治療」を行います。プロの方はみんなそうだと思いますが、命がけです。素人の方は、そこまですることはない。そんなことはプロに任せておけばいい。それほど治療とは誰もができることではなく、安易に手を出すべきものではないと思うのです。体が弱ければ弱いほど、やめておいた方がいい。これは僕が身をもって経験したことです。

基本的なことに戻りましょう。

中医学 (東洋医学) に関する用語などの意味を勉強し、分からないところは質問し、生命とは何か、自然とは何か…という正しい知識 (理性) を鍛えていきましょう。

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