小暑…雨続きで邪熱?

雨が続いている

連日の雨です。1週間は続いているのではないでしょうか。ここ飛鳥地方でこれだけ続くのは、僕が開業してから二十余年で、おそらく初めてです。

無農薬栽培で家庭菜園をやっていますが、雨に弱い野菜があれば、強い野菜もあります。スイカは枯れてしまいましたが、サトイモが急成長しています。

7月12日は、梅雨前線が南下、秋のような涼しい風が吹きました。13日の朝は、軒下につってある温度計で16℃、明らかに異常です。今朝17日まで、20℃を上回ることがありません。

蒸し暑かった1週間ほど前に、冷たい飲食を過度に摂っていれば、今こたえてくると思います。

実脈がみられる

さて、夏至初日 (6月21日) ごろから、患者さん全般に、脈の変化があります。ずっと脈幅がない状態が続いていましたが、幅ありの状態がよく見られるようになりました。実として瀉法する場合もあるし、虚として補法する場合もあり、虚実錯雑として処理する場合もあります。

実としてとる場合、虚として取る場合、これらはどちらも相対的補瀉を用いるならば、脈幅が必要です。相対的補瀉とは、邪気を謝せば正気が勝手に補われ、正気を補えば邪気が勝手に瀉されるという、陰陽消長の法則がもとで成り立ちます。消長の法則は、陰陽幅がなければ働きません。

なぜ、こういう脈の変化が出るのか、それはよく分かりません。おそらく大自然の陰陽が働いているのだろうとは思います。われわれは、それに従って処置をするということでしょう。なぜ昼があるのか、なぜ夜があるのか、分からなくてもいいことは、いくらでもあります。

よく分からないといえば、不思議なことがありました。

後渓と大巨の邪

後渓に邪がある。大巨に邪がある。

この組み合わせは、オーバーヒートがあるという診断がつきます。なにか「よいしょ!」という感じで無理をした、度を超すストレスがあった。夜が遅くなった、重いものを持った…などが原因として考えられます。通常は、「何か無理した?」と聞くと、「実は…」と返ってくるものです。

ところが、その答えが返ってこない。
「いやー、特に…」
おかしい。

後渓の反応は、邪熱があることを示します。もともと夏場は、熱が順だと思います。寒の反応は、ぼくは陽池で見ますが、この季節には矛盾するので注意ですが、このケースでは認められません。冷えで邪熱がこもっているのではないのです。

大巨の反応は、難経四十九難にある「強力すれば腎を傷る」と重なります。「強力」というのは「強いて力む」と訳せます。「よいしょ!」というイメージです。

ただし、その邪熱が腎 (大巨) に負担をかけているとなると、これは順ではすみません。

湿邪ではない

実は、7月8日の未明に、雷を伴ってかなり降ったらしく、その日に調子を崩す方が何人かおられました。その方々が後渓+大巨の反応があり、口をそろえて「なにも無理はしていない」と答えられていたので、これは何かある…と考えました。

この方々はみな、不容に反応なく、太白にも湿痰の邪は出ていません。食べ過ぎはないと考えられます。外感の反応もありません。つまり湿邪の影響が主要矛盾ではないのです。これは患者さんが普段から養生に気を付け、また治療が行き届いているからです。

では、この雨続きの中、よりによって邪熱がオーバーヒートを起こすとはどういうことなのか。

陰気が強い中での活動

雨天日というのは休息に向いています。活動には向いていません。夜に準じて、陰気が強いからです。そもそもこんなに雨が続くのは、ここ飛鳥地方では異常事態です。この異常事態が、つまり陰気が大きくハバを利かしたことが、オーバーヒートの原因ではないかと考えました。

普段なら、ここまでは無理できる…というラインがあるとします。このラインは、晴れた日は高いレベルにありますが、雨の日は少し低くなります。つまり、晴れた日と同じように活動すると、無理になるのです。

こんな異常な雨続きだとどうか。もっとラインが低くなっているのです。むしろ普段以上にゆっくりしているつもりでも、ラインを越してしまっている。無理していないつもりでも、「よいしょ!」となっている。オーバーヒートになってしまっているのです。

急な雷を伴うような豪雨は、風を起こします。それは内風につながります。乱気です。内風は邪熱と親和性があり、風にあおられてもともと持っている邪熱が強くなり、腎にまで影響したとも考えられます。

対応策

後渓や大巨の反応を消すのは簡単です。ただし、まだ雨が続く予報だとするならば、他の何かを考えないと、またオーバーヒートを起こしてしまいます。

そこで考えたのは、少し早めに床に就くということ。これでラインを上げていこうというのです。ただし、早く床に就くと、却って眠れなくなるという人もいます。そういう人には早く起床するように勧めています。

今は1年で最も日の長い時期です。5時には明るい。

日の出とともに起きると、夜は早く眠くなります。起きるのはしんどいかもしれないけれど、これをやったとしても、昼が眠くなることはあるとしても、体を壊すことはありません。早く眠くなれば、夜の暗い時間帯の睡眠時間が増えます。夜に寝ないと陰は補えません。午前5時以降の睡眠では、体を治す力がないのです。

くしくも、早起きの養生になりました。夏は、これが最も忘れられがちで、最も大切だと思います。

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