病気って何のためにあるんでしょうか。
健康と病気は、陰陽関係にあります。
陰陽とは、東洋医学の土台をなすものです。
土台を解剖学とする医学とは好対照です。
陰陽とは、一枚の紙の裏と表です。
どちらが欠けても、一枚の紙にはならない。
ただし、健康は表であるべきで、裏であってはなりません。
病気によって健康が作られる?
警察によって秩序が保たれるのと同じです。
警察は怖いし、ここにいてほしくない。でも、いなくなるともっと怖いことが起こる。
道の真ん中を歩けば、溝に足を引っかけることもなく、崖から落ちることもありません。
溝に足を引っかけることで、我々は道の真ん中とはどこかをつかみ取っていくのです。
「病気さえなくなればいい。痛みさえなくなればいい。」
この考え方は、片手落ちです。
たとえば、徹夜マージャンが連夜に及んだとする。それで頭痛が起こった。
痛みを取りたい。だから診てもらう。
治療家は、痛みを取った。
だから今夜もマージャンをする。
連夜の徹夜マージャンは悪いことです。
そんなこと誰が決めた?
殺人は悪いことです。
しかし、それを科学的に証明することはできない。
生物学 (自然科学) は、共食いを是とします。
医学は生物学にのみ依拠してはならない。
徹夜マージャンで頭痛がおこったならば、それを診る治療家は、
「何とかして痛みを止めたい!」
「何とかして今夜のマージャンを止めさせたい!」
この2つの気持ちを同じくらい強く持つべきです。
子供の願いをすべて叶えるのがいい親と言えるでしょうか。
わがままな子にしてはならない。それはかえってその子を不幸にするからです。
いい親は、願いを叶えつつも、歩むべき道を教えようとします。
人を育てる。
患者さんの顔すら見ずに、治療した気になってはならない。
「交通事故などの外傷は別として」
医療とは体だけを診るものではありません。
人を診るものです。
心と体、これは陰陽であります。物質的にのみ、人を診てはならない。
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